第二弾!ラグビーワールドカップ ランテクニックを分析してみる(考察系記事)

患者さんに、今度泊りで研修会に行くんですよ~と話すと、
患 “ほー、そうか。でも、あれだろ?理学療法士ってのは縦社会だから、外走らされたり正座させられたりするんだろ?”
・・・そのリソースどっからですか?笑
どうも、(オフ)ホワイトな業界に所属してます、理学療法士のりょーじです!
さて今日もですね、
ラグビーワールドカップで気になったプレーを分析していきたいと思います!
今回は、ロシアvsサモア戦での2つのトライシーン。
テーマは、『ランテクニック編』でございます。
さっそくハイライトから見ていきましょう!
1:33~と14:37~のサモアのトライシーンをご覧ください。
ロングハイライト/ロシア代表 v サモア代表【ラグビーワールドカップ】
どちらも、トライの前段階で完璧なタイミングのパスやサインプレーがあるので、
それのおかげで簡単にトライしているように見えますが、実は素晴らしいランテクニックを駆使しているのです!
最初のトライシーンは、スピードを落とさずに切り返すテクニックが秀逸。
それでは、解体していきましょう!
通常点線方向に切り返す場合、上図のように足が伸びてる状態ではできないので、右膝を曲げて力をため、それを解放するように足を伸展させて左側に方向転換します。すなわち、①足が地面につく②膝を曲げて力をためる③足を伸展させて方向転換する、という3段階です。
しかし、そうすると、『ためる動作によってブレーキがかかる』のと『3段階ある分時間がかかって』しまいます。
ここで、テクニックが炸裂します。
右足接地のタイミングで、外側に接地位置をずらします。そうすることで、膝を曲げることなく一気に重心が下がって、1動作で股関節に力をためることができます。つまり、①足が地面につく&股関節が曲がり力がたまる②股関節を伸展させて方向転換、という2段階だけで切り返せるのです。
股関節の強靭なパワーと重心が低い位置での軸のブレなさが、ハンパねーっす。
切り返した後の軸の安定が、2回目3回目の切り返しにも生きてくるんでしょうね。
さぁ、続いて2つ目のトライシーンに参りましょう!
このトライシーンは、場面によって足さばきを変化させていることが秀逸。
見事なクロスプレーから、スピードに乗ったサモアの選手がディフェンスラインを縦に切り裂きにいきます。そこへ、二人のロシア選手がブロックに向かいます。
トップスピードで駆け抜けるため、ストライドを広くとって力強い走りでロシア選手二人の間に侵入します。そして、ディフェンスとの間合いがつまったところで、足さばきを変化させていきます。
膝を腰の高さまで上げて足を後方に残さないピッチ(回転数)を上げた走りに切り替えます。スピード重視だったら、この走りはあまり向いてない走り方です。でも、なぜこの走りを選択したのか。
通常、タックルは腰から大腿部のあたりに入り、両腕で相手の両足をパックして足の動きを止めにいきます。しかし、膝が腰の高さにあると大腿分の横径が広がるため、パックしづらくなるんですね。そのため、腰より上の胴部分に行かざる負えなくなります。あと、経験上ですが、単純に膝が上がってるとタックルするのがこえーってのもあります。笑
また、これはこの試合の別シーンですが、後ろ足を捉えられると大勢を崩される可能性が高いため
足を後方に残さないピッチを上げた走りをすることで、後ろ足を捉えられる可能性を最小限に抑えているのです。
これらを踏まえて、1:33~と14:37~のサモアのトライシーンをもう一度ご覧ください。
ロングハイライト/ロシア代表 v サモア代表【ラグビーワールドカップ】
そのシチュエーションや環境に合わせて、自分自身の身体の使い方を瞬時に適応させるというテクニックでございました!
いやー、おもしろい!!
ルールが分かりづらくて試合についていけない部分もあるかと思いますが、
『走りのキレが半端ない!』
『トップスピードの巨漢をタックル一撃で仕留めるとかスゲー!』
『シンプルにこの選手カッコいい』
と、どんな感情でも良いと思うので、ぜひワールドカップ期間中だけでもラグビーを楽しんでください!
日本代表、アイルランドに勝利おめでとう!!
静岡の衝撃!!
One for all, All for one!! Go JAPAN!!
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